歴史って日々絶えず更新されていくもの。与那覇潤『中国化する日本』。
学校の授業で学んだことが確定して変わらないもの
なんかじゃなくて、あくまでそのときの暫定に過ぎなくて。
日々、研究によって改められて、書き換えられてるんだなあと。
そりゃそうだよね。
今でさえ原発の事故究明があいまいにされてるほどなんだから、
数百年前、数千年前のことがすっかり解明されてます!
もう新たに発見される知見はありません!
って、なってたらそんなまさかなわけで。
日々絶えず更新されていくもの。
一度学んだ古い歴史を永遠にずっとそうだと思っていたら
それこそ「生きた化石」になってしまう気がする。
与那覇潤『中国化する日本』を読む。
2016年、中国に「親しみを感じない」過去最高を記録したとかなんとか。
「中国人が嫌い!」それってあなたが実際に体験してみたことなの? - 仙台在住ゆるゆる脱力系デザイナー山田の生き方ヒントブログ
さてさて先日図書館で借りてきた『中国化する日本』。
中国化する日本 増補版 日中「文明の衝突」一千年史 (文春文庫)
- 作者: 與那覇潤
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/04/10
- メディア: 文庫
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中身はいかに?
まず「中国化」ってどういうこと?って疑問が湧きますよね。
おおまかに言うとこう。
古代中国の王朝唐が滅びて西暦960年にできた次の王朝が宋。
その宋がつくりあげた社会システムが
今日で言われるところのグローバルスタンダードの原型のようなもの。
ボーダーレスで流動的な社会。
1000年前に中国でつくられたシステムを
今現在、日本も世界も採用しつつあるんだよ~。
それを「中国化」と呼んでるのですね。
なんとまあ!
宋???そんな時代あったんか~~~い!
って歴史好きのぼくでさえ思っちゃうくらい。
アメリカやヨーロッパが主導してるのかと思いきや
その原型はとっくの昔に中国で生み出されていたって驚きっす。
よいとこどりのはずが悪いとこどり「ブロン効果」。
日本は国内事情もあって「中国化」せずに
封建的な「江戸化」を選んできたのだけれど、
ここに来て、やっと中国化しつつあると。
けれど、長いこと江戸化に慣れてきたもんだから、
すぐにとはいかず今はめっちゃ移行期、過渡期、混乱期。
だもんで、中途半端な状態である今は
「中国化」「江戸化」双方の悪いところが
出ちゃってるのではないかという見立て。
それを「ブロン効果」と呼んでました。
これがなかなか興味深くて。
掌編小説の名手だった星新一の、ショートショートの好編『リオン』に登場するアイテムに、「ブロン」というのがありました。「メロンのように大きな実がブドウのようにたくさんなる」ように掛け合わせて作ったはずの新品種「ブロン」が、実際は「ブドウのように小さい実がメロンのように少ししかならない」結果に終わる、というお話です。
私は、歴史上ときどき起こる不幸な惨事の裏には、どこかでこの「よいとこどりを狙ったはずが悪いとこどりになってしまう」という、いわば「ブロン効果」が働いているのではないかと見ています。そして、現在の日本社会の苦境もまた、「ブロン効果」で説明できるような気がします。
『中国化する日本』第3章ぼくたちの好きな江戸 p93
確かに国際社会化するのか
それとも島国根性でひきこもるのか
どっちつかずな状態ではあるよね。
このどっちつかずな状態が
よいとこどりを狙ったはずが悪いとこどりになってしまっていて、
結果、平成不況だ、失われた○○年だってことなのかな。
よいとこどりのはずが、、、
世界的な中国化は歴史の必然?
好むと好まざるに関係なく
今ある仕事の○○%は機械やあるいは人工知能に
とって替わられると言われてますよね。
それと同じく、好むと好まざるに関係なく「歴史の必然」として
中国化が進んでいくと著者は想定している。
だとすると、終身雇用や年功序列、年金制度も
今後段階的に廃止されていくのかもしれない。
都道府県の概念も、それ以上に国っていうカテゴリーが
薄まっていくのかもしれない。
というか、部分的には現にそうなってるところもあるよね。
中国化=ボーダーレスで流動的な社会の到来が必然であるのなら
そうなるものだとして捉えておけば
無駄に焦らずに済むんじゃないかな?
といっても、あくまでも予測の範囲ではあるけれど。
※星新一さん×人工知能でこんな記事見つけたど!
【すごいクオリティ】人工知能が書いた小説、星新一賞の一次審査を通過 どんな内容? https://t.co/sncXcHcoGJ
— ハフィントンポスト日本版 (@HuffPostJapan) 2016年3月22日
こんな記事も書いてます。合わせてどうぞ~★
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