意外と知られていないことですが、デザイナーに大切なことはつくることよりも、まずはお客さんや相手がどうしたいのかをちゃんと「きく」ことなんです。
この前、西村佳哲さんの
「インタビューのワークショップ」について記事を書きました。
このワークショップでは
「きく」…聞く、聴く、訊くという行為、
ごく当たり前のように繰り返している日常的な行為を
見直してみると再発見があるかもよ、っていう趣旨なんですが。
ボクの仕事はグラフィックデザインで、
なんで、「きく」ことがそんなに大切なのかというと、
プロダクトデザイナーのCARぼんさんが
簡潔にその必要性を示してました。
デザイナーに一番大切なの資質を考えてみましょう。
それはクライアントが何を求めているか正確に認識出来る能力です。
お客さんや相手がどうしたいのかをちゃんと「きく」こと。
なるほど、ボクもこれに尽きると思います。
ヴィジュアルを描いたり、色彩設計したり、図面を引いたり、、、
ということよりもまず先に大切なのはまずはこれでしょう。
お客さんや相手がどうしたいのかをちゃんと「きく」こと。
ここの認識の正確さ具合で
その後の行程と結果が決まってきちゃうなと思います。
ボクが今まで経験してきたことでいうと、
相手がどうしたいかがはっきりと決まっていれば
まだ話しははやいのですが、
けっこうな割合でどうしたいかが分からない、決まってない
っていう状況があるんですよね。
なので、相手に話してもらうようにアプローチしないと
その後がグダグダでつまらない仕事になってしまいかねなくて。。。
ワークショップで学んだ「ついてゆく聞き方」。
で、ボクが実際にワークショップで体験してきたことで、
今仕事の現場でも意識的に応用している「ききかた」として、
◎先回りしない(相手の言葉を待つ)
◎安易に了解しない(分かったフリをしない)
◎何も加えない(相手の言葉をすりかえない)
という3つがあります。
これを西村さんは「ついてゆく聞き方」と呼んでいました。
文字通り、相手に「ついてゆく」ように聞くわけです。
相手がどうしたいかは相手が「まだ」分からないだけで、
ついてゆく聞き方をして、相手にどんどん話してもらっているうちに
どうしたいかの輪郭がはっきりしてくるようになることがよくあります。
ついてゆかずに、こっちが勝手に主導してしまうと、
後々になって「いやこういうものが欲しいんじゃないんだよね、、、」
なんていうドンデン返しが待っていたりするから、おそろしいわけです。
自分と自分自身のやりとりのレベルがそのまま他の誰かのやりとりにも及ぶ。
テクニックとしてはそういうわけなんですが、
なにより、自分が自分自身に対して
どうしたいかを聞いて対話できている人は
自然と相手の話もきけるらしくて。
自分と自分自身のやりとりのレベルが
そのまま他の誰かのやりとりにも及ぶんだという。
これを知ったときは「ぐはーーーーっ!!」ってショックを受けて、
ボクはボク自身がどうしたいかとかって
あんまり分からないまま生きてきたなって。。。
ブログを書いていると
「何を書きたいかな?」「何を伝えたいの?」とかって
自分自身にたずねながら記事に起こしていく過程があるので、
そういう対話的な訓練にもなるなって。
ボクにとって「きく」ことは
仕事をするうえで大切なことだし、
さらには、自分がよりよく生きていくためにも
切り離せないことなんだと思いました。