その人が「そうしたい理由」が分からないと虚しくなる。それは、たぶん、一番大事なところ、大切なところをスルーしているからじゃないかな。
「そこの色はオレンジにして。」
「文字は明朝体じゃなくて、ゴシック体がいいんだけど。」
「丸はやめて四角に直して」、、、
デザインの仕事をしていて、
お客さんからそういうことを言われることがある。
言われたとおりに直すのは容易いことで。
だから、ひょいひょいと手を動かして、、、
そうしているうちにふと思う。
「なんでそうしたいんだろう?」って。
なんでオレンジにしたいのか。
なんでゴシック体にしたいのか。
なんで四角にしたいのか。
それが分からないまま手を動かしていると
今目の前でやっていることが激しく虚しいものになってくる。
この虚しさってなんなんだろう。
「なんで?」が分からないと虚しくなる。
それは、たぶん、
一番大事なところ、大切なところを
スルーしているからじゃないかな。
なんでそうしたいのか?
どうしてそういうことをしようとするのか?
どういった理由・訳・背景があって、
その人はそれを望むのだろうか?
それってけっこう深いところにあって、
当の本人でさえも分かってなかったりする場合が多い。
「え〜と、、、なんとなく。」みたいな。
でも、肝心なのって
その人が「そうしたい理由」にあると思う。
言い換えれば、その人の源泉や核に相当するもの。
大事なもの大切なものだから、
簡単には分からないことになってるのかな。
だからこそ、
色をオレンジにしてあげる前に、
その人がオレンジにしたい理由を訪ねたい。
もしかしたら、必ずしもオレンジにしたいのではなく、
柑橘類のような新鮮さを表したいのかもしれない。
あるいは、暖かさや温もりを求めているのかもしれない。
あるいは、パッと目を引くカラーリングを
望んでいるのかもしれない。
なかなかそこまで辿り着くのが難しかったりするのだけれど。