構造主義と『進撃の巨人』。壁の向こう側にはなにがあるんだろうと夢見た人たち。
昨日記事にした内田樹さんの『寝ながら学べる構造主義』。
まえがきにしか触れなかったので、
今日は中身について。
まず本のタイトルである「構造主義」ってなんなのか?
こう解説しています。
構造主義とはひとことで言ってしまえば、次のようなことです。
私たちはつねにある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。だから、私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け容れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。 (p25)
山田的に超訳すると、
自分がいまいる時代や国や地域に意外なほどに影響を受けているんだよ~。
自由に考え、ふるまっているように思えてけっこう限定的に縛られてるんだよ~。
そういう状態をいまオレたちは生きてるんだってこと忘れずに自覚しようぜ~。
ってところでしょうか。
この構造主義の「地ならし」的役割を担ったのが
19世紀頃に活躍するヘーゲル、マルクス、フロイト、ニーチェ。
その後、構造主義の始祖であるソシュールの登場。
ソシュールの思想を受けた後の世代に
フーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンら「構造主義の四銃士」。
彼らの功績によって構造主義的思想は知的威信を獲得し
全世界に広まっていったそうです。
今の時代の考え方や振る舞いが数百年前の学者や研究者たちの
思想の影響をもろに受けているって考えてみると壮大だなあ~と思います。
読んでいて思ったのが
この構造主義をよく現しているマンガが
『進撃の巨人』なんじゃないかな?
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は高さ50メートルの巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた・・・。
まだ見ぬ壁外の世界を夢見る10歳の少年、エレン・イェーガー。
エレンは、仮初めの平和に満足し外の世界へ出ることを諦めた人々に違和感を覚える。
彼らを「家畜」と呼ぶエレン。エレンを「異物」と感じる人々。
だが、壁をも越える超大型巨人の出現により、エレンの「夢」も人々の「平和」も突如として崩れ去ってしまう・・・。
壁の中という一時的な状態での生活を
平和だと満足しきってしまう。
いやいや、それは壁ありきのかりそめの平和なんだよ~って。
かりそめの平和がいつしか当然のごとくの平和にすり替わっちゃうんですね。
そもそもが限定的状態なのにも関わらず、それが長く続くと、
壁の中の安全に暮らせる日々が当たり前になってしまい、
壁があることも忘れてしまうのでしょうね。
そのなかで主人公のエレンは壁の向こう側に興味を抱く。
ソシュールや構造主義の四銃士たちもエレンのように
向こう側、外側にはなにがあるんだろう?って
いてもたってもいられなくなった人たちだったのかな。
解釈の仕方はいろいろあると思うけれど、
構造主義をうまく表現しているんじゃないかなと
ぼくにはそんなふうに読むことができました。
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第二話以降もおもしろいけれど、
巨人が人を食べちゃうエグいシーンもあるから気をつけて!
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仙台でイラストも描けるデザイナーとして活動しています。
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